ドイツ高射砲の名機88mm砲Flak36/37
地上にいる者にとって空からの攻撃には弱い物じゃ。
かつての戦争中にも航空機で空から地上を攻撃する事は頻繁に行われたが、地上からは高射砲という兵器で対抗した。
高射砲とは、地上から航空機を攻撃するために作られた火砲で、敵の弾着観測気球を狙い撃つため、プロイセン軍(現在のドイツ北部からポーランド西部にかけてを領土としていた王国)が使用したのが始まりだった。
手元に銃や大砲があればつい撃ちたくなるよね。
出典:ウィキペディア 弾着観測気球を狙い撃つプロイセン軍
その後第一次世界大戦でも高射砲が登場した。ドイツでは1917年にクルップ社およびエーアハルト(後のラインメタル)社によって開発された口径8.8cmのKw FlaKを配備していた。
出典:ウィキペディア
これは後世の高射砲のスタイルの原型となったもので、水平スライド式の尾栓で自動排莢、全周旋回可能な十字型砲架を持ち、水平射撃も可能だった。
ドイツは第一次世界大戦で負けてベルサイユ条約で兵器の生産をほとんど止めさせられたが、ドイツの兵器メーカーであるクルップ社は、同社が株主になっていたスウェーデンの兵器メーカーであるボフォース社と共同で、極秘で新型対空砲の開発をしたんじゃ。
出典:ウィキペディア 高射砲8.8 cm FlaK 18
これは従来からある口径75mmを88mmに変えたものでこれが1928年には8.8 cm FlaK 18という高射砲になり、その後に8.8cm FlaK 36に改良され、発射方向の切り替えを電源で行うことができ、砲身の交換も簡単にできるようになり、その後も改良が進められた。
対戦車砲としての活躍
第二次世界大戦が勃発し、長い射程と正確な照準を持つ8.8cm高射砲はその優れた性能をいかんなく発揮する。
8.8 cm FlaK 18は当時の標準的な発射速度の倍に当たる1分間に15-20発という優れた発射速度を発揮した。
高射砲の砲弾が命中して分解するアメリカ爆撃機、1発命中するとこの有様じゃ、乗員は脱出する有余さえない。
これもショッキングな画像じゃ、友軍機が隣で墜落していくのを見るのはどんな気持ちだろうか。
ドイツ軍は1940年のフランス進行でイギリス軍のマチルダⅡ歩兵戦車やルノーB1という重装甲の戦車に苦戦するが、ロンメル将軍は8.8cm FlaK 18で撃退し、対戦車砲としても活用できるのが証明された。
出典:ウィキペディア マチルダⅡ歩兵戦車
ドイツ軍に立ち向かったフランス軍のマチルダⅡ歩兵戦車
出典:ウィキペディア ルノーB1戦車
同じくフランス軍 ルノーB1戦車
バトルアクス作戦(トブルク解放のためのイギリス軍の作戦)においても、一個中隊の8.8cm砲が90輌近い英軍戦車を撃破し作戦を失敗に導いた、以後も全戦域にわたって対戦車戦闘に大活躍している。作戦の勝敗を決めるほどの高性能な砲だった。
1942年に8.8cm砲の高い装甲貫徹能力を生かす為、車載用に改設計された56口径8.8 cm KwK 36戦車砲を搭載したタイガーⅠ重戦車が配備された。
出典:ウィキペディア タイガーⅠ重戦車
更に改良型をエレファント重駆逐戦車やキングタイガー重戦車の主砲として使われた。
出典:ウィキペディア エレファント重駆逐戦車
出典:ウィキペディア キングタイガー重戦車
88mmFlak36/37のプラモデル
タミヤが1/35スケールで発売している88mmFlak36/37のプラモデルを紹介します。
すばらしい箱絵じゃのう、これの初版はひろしが中学生の頃(昭和47年頃)に発売されたと思う。
88mm砲を牽引する8トンハーフトラックも発売されて、印象に残っている。
箱の横にある完成写真、多くの砲兵が必要なんじゃ。
箱を開けるとジャーマングレイ色の部品がぎっしり収まっている。
どれが何なのかさっぱりわかりませんね。
88mmの砲身はわかった。
これが伝家の宝刀の88mm砲じゃ、戦車についてる砲と並べてみるのも面白そう。
攻撃は強いが防御は無いに等しい、戦車に砲を乗せないとひとたまりも無い。
砲兵が沢山います、距離を測ったり、重い砲弾を運んだり、実戦では大騒ぎだろうな。
タイヤは黒色でらしくしてある、但し自分では動けない。
牽引でしか動かせないので、砲を捨てて退却も有りえる。
大きなフェンダーや足廻りの部品。
この頃は接着剤が付いてるんじゃ、ピンセットも有るとはデラックスじゃ。
黒い線は無線用のリールに巻き付ける。
組立説明書、戦車じゃなくて砲の模型を買うと通になった気がした。
リールに巻いているのは通信用コードで別部品になってる。
早く砲弾を込めろ!って大声が聞こえそうじゃ。
88mm砲の歴史が詳しく解説してある、当時の時代背景も分かるよ。
実際の写真も付いてる、ロンメル将軍率いるアフリカ軍団かな。
タイガーⅠ重戦車に搭載したのは有名な話じゃ。
BMWに並ぶツェンダップ製のオートバイも付属している、偵察、連絡などに重宝した。
バイクの組立、エンジンは水平対向じゃ。
これだけでも売ってた。
今乗ってみたい、重くて迫力が有りそう。
台座の組立、上で砲が回転可能。
設置だけでも大変そうじゃ。
砲身の組立、ドイツの技術があればこその高性能だろう、当時の日本ではムリ?
構造が詳しく分かるが何の装置が付いてるのか不明。
照準を合わせるのも神業だろ、これは。
ドイツの軍服って悪っぽいイメージが定着したなあ、カッコイイけどね。
砲の部分が完成じゃ。
足廻りも構造が良く分かる、クッションは板バネ式。
細かい部品が多い。
通信用リールのドラムを乗せて、ダブルタイヤを装着。
裏から見るとトラックと同じ感じ。
完成しました、飾ると絵になるね。
砲兵は9人付いてる、塗装が大変じゃ。
チームワークは相当なもんだと想像できる。
塗装も是非したい、アフリカ戦線はダークイエローがメインになる。
国防軍やSS(親衛隊)砲兵や空軍など、組織がややこしいな。
今回はドイツ高射砲の名機88mm砲Flak36/37でした。
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