二式大艇がB17とガチンコ勝負してどうなった?

日本にも4発の大型爆撃機があった

第二次大戦で各国は4つエンジンを持つ大型機を作ったが、代表的なのはアメリカやイギリスくらいかな? 特にアメリカの量産技術は凄まじくB-17B29爆撃機を使ってヨーロッパや日本を叩きのめしてしまった。

出典:ウィキペディア アメリカB-17爆撃機

空飛ぶ要塞のB-17は主にドイツ爆撃に使われた。

出典:ウィキペディア アメリカB-29爆撃機

気密室を持ちTシャツで乗れる凄い爆撃機B-29、日本にとって忘れられない存在。

では日本には4発が無かったのか考えてみると・・有りました、二式大艇じゃ。

 出典:ウィキペディア 二式大艇

1930年代の日本海軍はワシントン海軍軍縮条約・ロンドン条約によってアメリカ等に比べ軍艦の劣勢を余儀なくされていた。

それでは敵の軍艦を陸上から発進させた航空機で長距離を飛び索敵や爆撃・雷撃をさせてやろうと思い立ったんじゃ。

この考えで中型飛行艇(中艇)/大型飛行艇(大艇)、中型陸上攻撃機(中攻)/大型陸上攻撃機(大攻)という発動機の双発・四発を計画し、最初に実用化された大艇が九七式飛行艇だった。

出典:ウィキペディア 九七式飛行艇

最大速度は385km/h、魚雷2発を搭載し航続距離は約5000kmに達する高性能を発揮した。

九七式飛行艇を更新するときに開発されたのが二式飛行艇(二式大艇)じゃ。

出典:ウィキペディア 二式大艇

厳しい要求に答えた高性能機

二式大艇開発への要求は厳しかった、最高速度444km/h以上でこれは当時の主力戦闘機九六式艦上戦闘機と同等。

出典:ウィキペディア イギリス、サンダーランド飛行艇

同時期の英国4発飛行艇サンダーランドの最高速度336km/hより100km/h以上速いものだった。

航続距離は7400km以上で一式陸上攻撃機B-17爆撃機の5割増。B-29爆撃機と比べても、3割近く長い、その上20mm機関砲多数を装備して強力な防御砲火や防弾装甲を備えていた。

用途:飛行艇 製造者:川西航空機

初飛行:1941年1月

生産数:167機

海軍の要求が厳しかったのには理由があった、中島飛行機が開発する陸上発進の4発爆撃機(深山)の計画要求案が出ていたからじゃ。

陸上機だと飛行艇よりスリムな機体で高速を狙える事に奮起した事情も有る。

1942年(昭和17年)2月5日に『二式飛行艇11型 H8K1』として制式採用が決定した、

出典:ウィキペディア ダグラス DC-4E

これはエンジン出力に比べ機体重量が重かった上に機構が複雑すぎるため、その維持管理にコストがかかるなど整備性や経済性に問題があることが判明した失敗作のダグラス DC-4Eだが

出典:ウィキペディア 陸上攻撃機 深山

これを1939年に購入し中島飛行機で4発爆撃機「深山」を試作したがやはり失敗作となった。ライバルが消えて二式大艇は高性能の四発大型飛行艇として完成したわけじゃ。

エンジンは当時最強の「火星」、軽量化と強度を両立するため波板構造や零式艦上戦闘機と同じ超々ジュラルミンの採用、機体前後部や上部の銃座は大型の20mm機銃に合わせて動力銃座を持つ、胴体や主翼の燃料タンクには防弾を施し、仮眠用ベット、トイレ、冷蔵庫も装備された。

アメリカも恐れた二式大艇

高速で十分な防御火器を持つ本機は連合軍パイロットから恐れられた。

1943年11月には、アメリカ軍のP-38ライトニング双発戦闘機3機と40分交戦し1機を撃退、自機もエンジン2基停止と230箇所被弾、乗員1名負傷という状態で帰還している。

コミックの松本零士戦場まんがシリーズにそんな描写がある。

出典:松本零士 戦場まんがシリーズ 「大艇再び還らず」

B-25ミッチェルやB-17といったアメリカ軍の大型陸上機を追撃して撃墜した記録もある。その攻撃力から「空の戦艦」などとも呼ばれた。

出典:松本零士 戦場まんがシリーズ「大艇再び還らず」

これは実際にあった描写か不明じゃ。

二式大艇のプラモデル

ご存知の方も多いと思う、ハセガワ1/72スケールシリーズの二式大艇じゃ。

箱の横に解説がある、なかなか高性能な機体だった。

機能美と言いますか、なかなかカッコイイ側面じゃ。

失敗作の深山の後継機、連山もシリーズにある。

一式陸上攻撃機は有名だが二式大艇の方がアメリカ軍から恐れられた。

開けると濃い緑の成型色、初期モデルはこんな色で新しいものは灰色になる。

魚雷や爆弾まであります、爆撃や索敵をこなした。

日の丸が濃い緑に映える。

結構大きなキットじゃ、空飛ぶ船の構造がよく分かる。

空飛ぶ不動産、住宅に見える巨大さ。

機首のアップ、ここからB-17と撃ち合いをやったとは・・

この翼だけ見ると日本機とは思えない。

10人も乗るから役割も多く窓も多めか。

帰れる保証は無い、墜落したら一度に10人の人命が失われる、悲劇そのものじゃ。

塗装用資料、まさに空飛ぶ戦艦。

裏には実機の解説がある。

出典:二式大艇 海上自衛隊鹿屋航空基地資料館

組立説明書と海上自衛隊鹿屋航空基地資料館に保存されている実機。

この重武装でB-17を撃墜じゃ。

乗り降り用ドアは回転します。

家族連れで乗ってる感じか、賑やかそうじゃ。

出典:二式大艇 海上自衛隊鹿屋航空基地資料館

こんな大きな機体の保存は大変だろうな。

水密はイマイチで沁みてくる水を汲みだしたとか。

フラップも工夫されて運動性に貢献した。

出典:二式大艇 海上自衛隊鹿屋航空基地資料館

エンジンは動かせないのかな。

4発の経験が無いから整備も大変そう。

これは凄い、ミニベビーで4個プロペラを回せるんじゃ。

なかなかの迫力です。

牽引用トラクターが楽しい。

ずんぐりして高性能には見えないが意外でした。

出典:ウィキペディア 第71航空隊のUS-2救難機

二式大艇の技術は現代の救難機に活かされてる。

今回は大型の4発爆撃機、二式大艇でした。

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