タイガーⅠという虎を飼いならしたエースの話

虎を飼いならした男

戦車戦のエース、ミハエル・ビットマン

第二次世界大戦で各国は多数の戦車を投入し、各地で激しい戦車戦が展開された。

そして優れた戦車と戦術にたけたドイツ機甲師団に天才的な戦車戦のエースがいた。

彼の名はミハエル・ヴィットマン(Michael Wittmann)

出典:ウィキペディア ミハエル・ヴィットマン

第二次世界大戦のドイツ親衛隊員、武装親衛隊の第1SS装甲師団ライプシュタンダルテ・SS・アドルフ・ヒトラー (LSSAH) に所属した戦車兵。

最終階級はSS大尉で撃破数は戦車138両、対戦車砲132門。

生まれは1914年4月22日、ドイツ・バイエルン州のオーバープファルツのフォーゲルタールの農家に生まれ、家業を手伝っていた。1934年に勤労奉仕団に志願し、アウトバーン建設等に参加した後1936年まで第19歩兵連隊で義務兵役を修め1937年に親衛隊特務部隊に志願したんじゃ。

20歳頃じゃな、親衛隊に志願し戦車兵への道を歩むことになる。

1939年9月1日、ドイツはポーランド侵攻を開始。ヴィットマンSS軍曹はLSSAHの一員としてポーランド戦に従軍し、1940年砲兵学校にて突撃砲兵の訓練を受ける。

1941年6月22日にバルバロッサ作戦が発動され、独ソ戦が始まる頃、ヴィットマンはIII号突撃砲の車長になっていた。

小学生の頃に少年雑誌で戦車戦のエースの話を読んだ覚えがある、林に隠れて移動しながら敵を撃破する話で、おそらくヴィットマンの事だと思う。

出典:ウィキペディア III号突撃砲

7月16日からのウマーニ包囲戦において16両の戦車と会敵、地形を巧妙に利用して一方的に攻撃し、6両の戦車を撃破し、その功績は高く評価され、第二級鉄十字章を受章、その後も確実に戦果を上げていったんじゃ。

1942年12月ヴィットマンは将校教育を修了し、親衛隊少尉に任官、LSSAH師団のSS第1戦車連隊第13中隊に配属され、新型のVI号戦車ティーガーIを受領した。

ヴィットマンは戦車長となり、バルタザール・ヴォルSS上等兵が砲手(照準手)となる。ヴィットマンの驚異的な敵戦車撃破数を語る上で砲手の高い技量とティーガー戦車の高性能は欠かせない。

出典:ウィキペディア

強力な88mm戦車砲の砲弾をタイガーⅠ重戦車に積み込む様子

優秀な部下と高性能なティーガー重戦車を得てヴィットマンの才能は更に磨きがかかったんじゃ。

出典:ウィキペディア

アドロフ・ヒトラーから騎士鉄十字章の授与を受けるヴィットマン

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1943年7月4日、ツィタデレ作戦が発動され、クルスクの戦いが開始された、これはドイツ軍がソ連軍突出部へ向けて攻撃を仕掛けた史上最大の戦車戦でヴィットマンの戦果は、戦車30両、対戦車砲28門だった。

1944年6月連合軍がノルマンディー海岸に上陸しヴィットマンのSS第101重戦車大隊も連合軍の上陸地点へ投入されることとなる。

出典:ウィキペディア タイガーⅠ重戦車とヴィットマン

6月13日にカーン市の側面への迂回突破を図るイギリス第7機甲師団(アフリカ戦線でロンメルの主敵であった「砂漠の鼠」)の先鋒戦車部隊がヴィレル・ボカージュに差し掛かったところをヴィットマンが急襲し3両の戦車を撃破。その後、6両の戦車10両の装甲兵員輸送車(ハーフトラック)、4両の装甲車、2門の対戦車砲を撃破した。

タイガー戦車は2Km離れた敵をほぼ100%撃破できるほどの高性能な砲や照準器を備えヴィットマンはその長所を存分に発揮させたんじゃ。

しかし彼にもついに終焉が来る。

出典:ウィキペディア シャーマンファイアフライ戦車

1944年8月8日、ヴィットマンの第2中隊は友軍の後退を援護するためサントーへ向けて出撃した。

乗車はタイガー007号車で12時40分頃、007号車を含める4両のタイガーは前進中に国道158号線で敵軍の対戦車砲に攻撃され、交戦する間も無く3両が撃破されたんじゃ。

007号車も車体側面にシャーマンファイアフライ戦車の直撃弾を受け大破炎上、ヴィットマンらは戦死した。

ちなみにシャーマン戦車の76mm砲に変えて強力なイギリス製17ポンド砲を搭載したのがファイアフライ。

ファイアフライとはトンボの幼生、ヤゴのことで欧州では獰猛なイメージがあり名付けられたんじゃ、ドイツ軍はこの戦車が強力な事を知っており、長い主砲を目安にして真っ先に撃破しようとした。

タミヤのタイガーⅠ重戦車

ヴィットマンの戦友だったタイガーⅠ重戦車のプラモデルを紹介します。

タミヤ模型の1/35スケールで今も売ってるよ。

高射砲から転用した88mm戦車砲、絶大な威力を発揮しアメリカ軍のシャーマン戦車やソ連のT-34戦車を簡単に撃破する。

箱の横にあるタイガー戦車の側面、複合車輪と傾斜しない分厚い装甲を持つ。

この頃はソ連のT-34戦車の様に傾斜装甲で防御力をアップするデザインがされていなかった。

全長8.45m 車体長6.3m 全幅3.7m 全高3m 重量57t

速度40km/h 行動距離100km 主砲56口径8.8 cm KwK 36 L/56(92発)

副武装 7.92mm機関銃MG34×2

装甲 前面100mm 側面、後部 80mm 上面、底面 25mm

エンジン マイバッハ HL230 P45 水冷4ストロークV型12気筒ガソリン 700PS

乗員 5名

量産されるタイガーⅠ戦車

懸架方式 トーションバー 鋼製棒のねじれの弾性を利用したサスペンションで場所を取らない利点が有る。

ユニークなところでは国産旧車のスバル360がトーションバーサスペンションだった。

ひろしも昔に旧車趣味で持ってたけど、フワフワしたソフトな乗り心地だった。

車体を加工中の画像、ターレット部を削ってる。

車体内部の床にはトーションバーサスの棒が左右に複数並ぶ。

生産中の画像、重量物だらけだから大変だったろうな。

戦場での修理も、その重量ゆえに苦労したらしい。

転輪が沢山並ぶ、後期型は緩衝ゴムを内蔵した鋼製転輪に変わった。

キャタピラはプラスティックの組立になってるんだ、知らなかった。

1/25スケールは昔から連結式だったけど、1/35スケールはディスプレーだから、こんなのがリアルに出来るんだな。

モーターで動いた時代が懐かしい。

出典:ウィキペディア タイガーⅠ重戦車

迫力のある幅の広いキャタピラじゃが、鉄道輸送時には幅の狭いものに変える必要があり、大重量のための手間はハンパ無かった。

さすがに高品質なパーツ群、バリなんてついてない。

プラモデルじゃなくて本物の画像。

実車の車体前面100mm、側面80mmって想像できない厚さじゃ。

部品の反りも無く組み立て易そう。

泣く子も黙る88mm砲じゃ。

英文と和文併記の組立説明書。

装甲表面がシワシワしているのは磁石式の爆薬が付かないようにツェメリットコーティングがされているためじゃ。

クランク状の車軸を付けて・・

複合車輪のメリットは重量を分散させる事だが、現代は部品の高品質化でこのような様式はドイツにも無い、修理が大変そうだよね

太いワイヤーロープがお約束で付いてる、故障車両や悪路にはまった時の牽引に欠かせない。

スケール感は樹脂の一体物より良いが、手間はけっこうかかりそうなキャタピラ。

排気マフラーやジャッキを取り付けて・・

前面の装甲版、機関銃の取り付け。

操縦席のハンドルが見える、視界が悪いのは仕方がない。

ハッチには外を監視できるスコープが付く。

88mm戦車砲、いきなり遠方から射撃され連合軍はパニックに落ちいった。

狙いを定めるタイガー戦車、草原なら無敵じゃな。

予備のキャタピラは装甲代わりにも使われる。

完成が近い、重厚なシルエットが再現された。

泥除けを付けて完成じゃ。ドイツ兵器の機能美は後世の工業デザインに影響を与えた気がするが、考えすぎじゃろうか。

わりと正方形なシルエットじゃ、塗装すれば完成。

今回はミハエル・ヴィットマンタイガーⅠ重戦車の話でした。

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