ゴジラでもガメラでもない怪獣ギララとは?

日本の特撮怪獣映画

ひろしが小学生だった昭和43年頃、夏休みになると映画館に怪獣映画を見に行ったもんじゃ。

その頃は映画館に行くのが全盛期で小さな町にも映画館があった。

暗闇に映し出される大画面の怪獣たちは迫力満点だったね。

今回はある特撮怪獣がテーマなんじゃが皆さんご存知かな?

まずは有名な怪獣をおさらいじゃ。

出典:東宝 ゴジラ

出典:東宝 キングギドラ対ゴジラ

日本を代表する特撮怪獣といえばゴジラじゃ。ゴジラは1954年に東宝が公開した。

その後半世紀にわたってシリーズ化され、近年はシン・ゴジラが大ヒットしたね。

監督は本多猪四郎、そして特撮技術の巨匠、円谷英二が腕を振るって迫力の映像を見せてくれた。

ゴジラは放射能で巨大化した生物で、核兵器の怖さを感じさせる問題作でもあった。

出典:大映 大怪獣ガメラ

出典:大映 ガメラ対ギャオス

次の怪獣も日本の特撮をしょって立つガメラじゃ。

ガメラは1965年(昭和40年)に大映東京撮影所が公開し、その後シリーズ化されていく。

ひろしは映画館でガメラを見ることが多かったので、ゴジラより親しい感じがしてた、設定でガメラは子供の味方とか、青白い炎を噴射して空を飛ぶとかゴジラとは全く違う感じじゃ。

昭和のシリーズで一旦中断したが、平成になって復活した3部作(敵怪獣:ハイパーギャオス、レギオン、イリス)は素晴らしく進化した内容で、シン・ゴジラにも少なからず影響を与えた気がする。

ゴジラもガメラも多くの敵怪獣が出現し、やっと勝つわけだが、ゴジラ対ガメラという映画は無い、なぜか? それは製作した映画会社が違うからなんじゃ。

宇宙大怪獣 ギララ

そこで今回紹介する宇宙大怪獣ギララの話となる。

ギララは松竹が製作し1967年(昭和42年)に公開された怪獣映画。

この頃はテレビが各家庭に普及し、1966年(昭和41年)のウルトラQが大ヒットして空前の怪獣ブームが起こっていた。

日本映画は斜陽になって来ており、松竹も東宝や大映の様に特撮怪獣ものでヒット作を狙ったんじゃな。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

これがギララじゃ。体はゴジラっぽいが頭が個性的でどんな怪獣にも似ていない。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

映画のストーリーを解説しよう。

日本の宇宙船が謎の発光体と遭遇したとの連絡後、行方不明になった。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ アストロボート

その捜索のために日本宇宙開発局・富士宇宙センター (FAFC) の新たな宇宙船「アストロボート」(AABガンマー号)が地球から宇宙に向かった。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

月ステーション経由で帰路についたアストロボートは謎の発光体と遭遇し、未知の物質の噴霧を受けるのだが、隊員たちは噴射ノズルに付着した物質を地球に持ち帰ってしまう。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

ここから大問題が起こるんじゃ、現実の話で世の中は新型コロナウィルス感染で大混乱をしているが、この映画は未知の物質をうっかり持ち帰る事の危険性を警鐘しているんじゃ。

未知の物質は研究室に保管されたカプセルから消え、怪獣となってFAFC宇宙基地周辺に出現する。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

ギララと名付けられた怪獣は東京方面へ移動して都心を蹂躙する。自衛隊の攻撃もまったく効果がなく、エネルギーを求めてギララは原子力発電所や水力発電所を破壊しつつ巨大化し巨大な火の玉となって空を飛び回り大暴れする始末。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

はたしてこの宇宙大怪獣 ギララを退治する事が出来るのか?

松竹が初めて作った怪獣映画で、なかなか良さそうだが怪獣映画はこの1作品で終わってしまった。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

敗因は色々あるだろうが、東宝の円谷英二ほどの特撮操演技術にはとても及ばなく、巨大感や動きのスムーズさが劣っていた事、それ以前に松竹という会社がそれまで歩んだほんわかした人間ドラマ作品のような空気が全体にあって、怪獣映画が持つべき恐怖感や迫力が無かったためかもしれない。テーマソングも喜劇っぽい感じで怪獣映画の感じは無かった、雰囲気作りがイマイチだったのか。

宇宙大怪獣 ギララのプラモデル

カルトな魅力を持つギララだがプラモデルが発売されていた。初版はずいぶん昔でめったな事では手に入らないが復刻版なら見ることができる。

オリジナルはプラモデルメーカーの緑商会が昭和40年代に発売した大、小のうち小を童友社が復刻してくれた。

童友社は他のメーカーの古い金型を使って懐かしいプラモデルを販売しているメーカーじゃ。

箱を隅々まで見てみよう。オリジナルは中の小箱だけだが復刻版という事で二重の箱構成でしっかり保護している。

小箱を取り出して側面を見てみよう、印刷も当時のまま再現してあるので資料としても楽しめる。

緑商会が発売していたプラモデルが並ぶ。これはサンダーバードのジェットモグラから影響されたと思われるメーカー想像のSFプラモデル 地中戦車キングモグラス

これは小学生の時に買った事があるよ、モーターでドリルを回転しながら走り、ミサイル発射もできた。

これもメーカーが勝手に作ったSFメカの宇宙パトロール プラネット、これは見たことが無いな。

宇宙パトロール マーキュリー これも知らないな、当時は宇宙ブームでいろんなものが発売されてた。

宇宙パトロール戦車 バンガード 当時のプラモデルはモーターやゼンマイ、ゴム動力で動くのが当たり前だった、ミサイルだってバネで飛ぶ仕掛けがある。

松竹が認可したプラモじゃ、パチ物ではない。

緑商会のマークが懐かしい。

なかなか良く出来た怪獣だが、怪獣映画の見せ方や聞かせ方がチグハグな印象があり、ヒット作品にはならなかった。

外箱はこれ、これが有るので中の箱はキズがつかずに永久保存できるんじゃ。

出典:松竹 ケイブンシャ 宇宙大怪獣 ギララ

ギララ関連の商品がいくつかある、これはレコードだが曲は怪獣映画の感じはしない。

箱を開けてみよう、宇宙怪獣らしいメタリックな緑色が眩しい。

復刻版はモーターライズやゼンマイなどメカ部分が無くディスプレイが多いが、これは頑張ってゼンマイも復刻している。

付属しているレバーを指して回すとゼンマイが巻かれ、離すとゆっくり動き出す。

今は国内にゼンマイを作れるメーカーが無くなったと聞いたが・・

クランクを応用して歩く仕掛けじゃが4本脚と違って2本脚歩行は難しい。

足のパーツもそれらしく作ってある。

童友社がんばってくれたな、ギララの他にアストロボートも再版しているんじゃ。

出典:童友社 復刻保存版 アストロボート

組立説明書も当時のままじゃ、顔がかわいらしい。

クランクの構造がよくわかる

ゼンマイを巻くとジーコジーコと鳴りながらゆっくり歩いた。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

2本足歩行といっても、しっぽもあわせて3点で自立させる。

出典:松竹 宇宙大怪獣 ギララ

今回はとてもレアな宇宙大怪獣ギララでした。

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