第二次大戦に現れた天空の要塞 B-29爆撃機
宮崎アニメで有名な『天空の城ラピュタ』をご存知かな。
出典:スタジオジブリ 天空の城ラピュタ
かつて栄えたラピュタ人は飛行石で大きな島を空に浮かべ、恐るべき超兵器で世界を支配した・・
出典:スタジオジブリ 天空の城ラピュタ
ま~これは空想科学の話じゃが、実際に第二次大戦でそんな空の要塞が生まれたんじゃ。
日本にとっては憎たらしいイメージしかないアメリカ軍のB-29爆撃機こそ空の要塞と呼ぶにふさわしい機体だった。
実はB-29の発想は第二次世界大戦前からあった。
アメリカ陸軍の航空部門であるアメリカ陸軍航空隊が1934年5月に超長距離大型爆撃機開発計画「プロジェクトA」を発足させる。
これは1トンの爆弾を積んで8,000km以上の長距離渡洋爆撃ができる爆撃機を作る計画で、1941年5月にはアメリカ陸軍よりボーイング社に250機を発注する意向が通告された。その後日本軍の真珠湾攻撃でアメリカの第二次世界大戦に参戦すると更に増やされ、日本本土爆撃に使用されたんじゃ。
出典:ウィキペディア B-29爆撃機
B-29は4発のエンジンを持ち、空気抵抗が少ない機体で高速が出せた。
製造者 ボーイング社
全長 30.18m
全幅 43.04m
エンジン Wright R-3350-79/81 (2,200Bhp 最大2,500Bhp) ×4
プロペラ ブレード4枚 直径5.05m×4
空虚重量 32.4t
爆弾搭載量は最大9t
最高速度 654Km/h(高度9,144m)
実用上昇限度 13,167m
航続距離 8,321Km
武装 AN/M2 12.7mm機関銃×12(弾数計6,000発)
出典:爆撃中のB-29
エンジンは排気タービン過給機(ターボチャージャー)を装備し高空の薄い空気を強制的に取り込み馬力が維持でき、機内は与圧装置を備えて酸素マスクや防寒着無しで乗務可能だったんじゃ。
日本軍は撃墜したB-29の乗務員がTシャツだったのを見て、アメリカも物資が困窮していると勘違いしたという悲しい話もある。
出典:太刀洗平和記念館 屠龍
B29迎撃に活躍した陸軍の飛燕や屠龍だが、日本機にはターボが無く高空では馬力が出ない。
高空では飛ぶのがやっとでまともな戦いは不可能なため、最後には体当たり攻撃まで行われた。
超高性能で日本の都市を焦土に変えたB-29に、日本軍も高射砲や迎撃機で対抗したが、なすすべもなく2発の原子爆弾まで投下され降伏したんじゃ。
ドイツを葬った空の要塞 B-17爆撃機
時間をさかのぼるが、日本と同盟国だったドイツもアメリカやイギリスの大型爆撃機によって焦土となった。
出典:ウィキペディア B-17爆撃機
但し、その立役者はB-29ではなくそれより旧式のB-17爆撃機じゃ。
ドイツもB-29の存在は知っており恐れてはいたが、現実はB-17までだった。
B-17は1934年にアメリカ陸軍が敵工業地帯を爆撃する戦闘機の要求をボーイング社に与え開発された。
強固な防弾装備、ハリネズミのような機銃群とエンジンは強力な排気タービン(ターボチャージャー)を備え高空でも出力の低下無しで敵戦闘機と戦えたんじゃ(但し与圧室は無い)。
出典:ウィキペディア B-17爆撃機
当時はエンジンが2発あれば高性能で4発の爆撃機など運動性能が悪く使い物にならないという風潮があった、ところが常識を覆すB-17はドイツ爆撃の主役になったんじゃ。
製造者 ボーイング社
初飛行 1935年7月28日
生産数 12,731機
B-17Gのスペック
全長 22.8m
全幅 31.64m
空虚重量 16.3t
爆弾搭載量 5.8t
プロペラ ブレード3枚 直径3.53m×4
エンジン Wright R-1820-97 (1,200Bhp 最大:1,380Bhp) ×4
最高速度 524Km/h(高度8,138m)
実用上昇限度 11,400m
武装 12.7mm M2 Browning×12 (弾数計5,970発)
出典:ウィキペディア ドイツ メッサーシュミットMe-109
むろんドイツも迎撃に高射砲やメッサーシュミットなどの局地戦闘機で対抗するが圧倒的な物量の前に消耗していった。
出典:ウィキペディア 撃墜されたB-17爆撃機
これは高射砲が当たったんじゃろう、ぞっとする光景じゃな。
高性能なB-17だが、同伴するP-51マスタングやP-47サンダーボルトの護衛戦闘機が付かない頃は被害も多かったんじゃ。
B-17のプラモデル紹介
B-17爆撃機は映画にもよく登場し、プラモデルでも人気があって各社から発売されている。
今回は飛行機ならここというべき、ハセガワ製1/72スケールの紹介じゃ。
素晴らしいボックスアート。
下にいる戦闘機は迎撃に上がったドイツのフォッケウルフ。
単発戦闘機が1/72スケールだと小さい感じじゃが4発爆撃機はデカイ。
日本機なら天皇陛下から預かった物で恐れ多いと、めったに絵は描かないが、アメリカ機は女性のノーズアートが描かれている。
与圧室が無いので防寒着を着て震えながら機銃を撃った。
被弾して煙を吹きながら離脱する仲間を見るのは悲しい。
箱の側面に空の要塞と書いてある。
お馴染みのハセガワマーク、プラモ好きならワクワクするんですよね。
シリーズの絵が側面に並ぶ、これを見るのも楽しみのひとつじゃ。
これはアメリカのネプチューン。自衛隊でも使われ潜水艦の探索に活躍した。
アメリカ B-47ストラトジェット。戦後、ソ連との冷戦時代の爆撃機。
これは日本が世界に誇る飛行艇、新明和PS-1
相当な荒海でも遭難者を救いに行ける高性能機じゃ。
アメリカの救難飛行艇マーリン、遭難しても助けてもらえるという安心感は戦闘意欲も高まるもんじゃ。
蓋を開くとこんな感じ、爆弾をたっぷり積める太い胴体が現れる。
コーヒー缶と比べると大きさが分かるでしょう。
実機は表面をスムーズに仕上げスピードを出せた。
リベットの頭を沈めているんじゃ。
下側の搭乗員が小さい、尾翼との比較で機体の大きさがわかるね。
4発のエンジンを搭載、これを量産するアメリカの生産技術は凄い。
窓や銃座風防の部品、パイロットも銃座担当者もくらいついてくる敵戦闘機には恐怖した。
小さいデカールが多くて貼るのが大変じゃな。
星マークはカッコイイ。
組立説明書、英文も多く輸出されてるんでしょう。
日本製プラモは一級品だよ。
組立や塗装の解説、親切だね。
B-17の解説がある、これを読むのも楽しみじゃ。
完成写真、たいていオリーブドラブのくすんだ緑が多くシルバーは珍しい。
パーツリスト、無くしたら買う事も可能。
まずコクピットから作ろう、ここが精密だとリアルになる。
機体の左右を合わせる、側面にも銃座がある。
旅行で飛ぶわけじゃない、帰れないかもしれない飛行じゃ。
出典:B-17爆撃機
機関銃が2連装で打ちまくる、薬きょうが雨の様に転がる世界。
側面は流れるようなスタイルじゃ、良いデザイン。
最後尾にまで銃座がある、ここは孤独感が襲ってきそう。
出典:ウィキペディア B-17爆撃機とP-51戦闘機
護衛戦闘機が神様に見えたろうな。
ミニベビーモーターを入れてプロペラ4個を回したい。
車輪もデカイ、被弾して胴体着陸の画像もあった。
プロペラがB-29は4枚だがこちらは3枚じゃ。
大柄な機体なので塗装で汚れなどうまく表現しないとノッペリした感じになる。
完成じゃ、飾ると見ごたえあるよ。
出典:ウィキペディア B-17爆撃機
日本軍も戦ったけど、この大きさには驚いた。
腹にある球形の銃座に入り、足を丸めて迎撃は悲惨だった。
B-29より旧式なので搭乗員の苦労が大きい印象がある。
B-29は銃座が遠隔操作に進化していた。
今回は空の要塞の話でした。
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