100円でプラモデルが買えた時代。

昭和40年代プラモデルの値段

昭和40年代のプラモデルを今見るとお宝だね。

当時ひろしは小学生だったんだけど、近所にプラモデル好きのお兄さんがいて、戦車プラモのカッコ良さにびっくりしたんじゃ。

たしかタミヤの初代パンサータンク、キングタイガー重戦車、ロンメル駆逐戦車、バンダイのスツーカ急降下爆撃機などだった。

そんなわけで小学生の時にプラモデルに夢中になったんじゃが、買うには当然お金が必要です。

小学生が親からもらえるお金は少ない(特にうちは貧乏で親も金が無い)。

親に遠慮しながらもらえるのは300円程度が上限だったよ。

山間の水田で田植えをしている母親に300円欲しいってねだったこともあった。

当時100円はお札で、50円も直径が大きかった。

出典:タミヤ模型 1/35 ドイツパンサー中戦車(シングル)

町の文房具屋に沢山のプラモデルがあった。

今みたいにガンダムじゃなくて戦車、飛行機、軍艦などほとんどが第二次大戦に活躍した物ばかりなんじゃ。

上のタミヤ模型1/35スケールのパンサー中戦車なんか存在感はピカイチだったね。

箱も貼り箱と言って固い箱の表面に絵が貼ってあった。

出典:タミヤ模型 1/35 ドイツ ハンティングタイガー(リモコン)

当時のプラモデルはマブチモーター乾電池で動くのが当たり前なんじゃ。

タミヤ模型の場合、箱の絵が白抜きがシングル(戦車にスイッチが有り前後だけ動く)と戦場の情景も描いてあるリモコン(電池のケースとスイッチは手に持ち有線でモーターを2個内蔵し前後左右に動かせる)があった。

ひろしはお金の都合もあって700円くらいのシングルばかり買ってた。リモコンは1200円くらいと高額でムリだったね。

今と貨幣価値が違うけど当時の1000円は今の6000~7000円程度だろうか。

だから1000円前後でそこそこの大きなプラモデルが買えたんじゃ。3000~4000円のプラモもあったがサンダーバード秘密基地とかは神に近い存在だった(笑)。

出典:タミヤ模型 ソ連 スターリン対空戦車

しかしシングルの700円もするプラモをいつも買えはしない、普段は300円以下の小さなのを探す事になる。

上のタミヤ模型スターリン対空戦車は古い小さなプラモだけど、今でも印象深いキット。

小さくてもモーターで動くから凄いよね、但し1/35スケールの様な精密感は無くておもちゃっぽかった。

子供の味方、安い小さなプラモデル

タミヤ以外の小さなプラモデルをいくつか紹介しましょう。

上のタミヤ製 シャーマン戦車は1/35スケール(リモコン)で1200円

下の3種がお安い小さいプラモじゃ。ずいぶん箱の大きさが違うよね。

安い3種の上はアメリカのM41ウォーカーブルドック軽戦車 スケールが書いて無いな~。

当時はこんな安いプラモが沢山あった。

出典:ウィキペディア M41ウォーカーブルドック軽戦車

実車のM41ウォーカーブルドックは1946年にゼネラルモーターズ社がM24軽戦車の後継として開発したんじゃ。

アメリカ陸軍を中心に西側諸国や自衛隊でも使用した。

重量19t、エンジンは水平対向6気筒ガソリンエンジン500馬力、足回りはトションバーサスペンション。

主砲は60口径76.2mmでM4シャーマンの物より優れた戦車砲だった。

実戦投入は朝鮮戦争ベトナム戦争では南ベトナムに供与された。自衛隊でも長く使ってたね、派生型としてM42ダスター対空戦車がある。

戦車らしい形でカッコイイと思ったもんじゃ。タミヤ製1/35スケールをよく作った記憶がある。

昭和39年創業のクラウンモデルのプラモじゃ。

これもモーターライズで300円。箱の絵もなかなかカッコイイ。

開けるとおもちゃっぽい姿になってる、ギアボックスも最低限の構造でコストダウンの苦労がしのばれるね。

キャタピラは当時のお約束のゴム製でスケール感は乏しい。モーターで動くんだけどポリ製の精密なキャタピラと違いよく外れてイライラしたもんじゃ。

次に紹介するのは日東模型の1/76スケールのドイツ、キングタイガー戦車

これは250円だった。

出典:ウィキペディア ドイツ キングタイガー重戦車

実車のキングタイガー重戦車は第二次大戦ドイツ機甲師団の最強戦車じゃ。

装甲:砲塔 前面180 mm  側面・後面最大80 mm
車体 前面最大150 mm

戦闘中にその前面装甲を貫通した記録・証言が発見されていないことが、本車の防御力が最強の証しになっている。

重量:69.8t

主砲:71口径88mm砲(有効射程はソ連T-34中戦車の3倍!)

生産数:約490両

こちらは1/76スケールとずいぶん小さい、フジミ模型やハセガワも似たシリーズがあった。

ここまで小さいとモーターラーズはムリだが、精密感はタミヤ1/35スケール以上の感じだった。なんせ内部構造まで再現してるからね。

当時は第二次大戦兵器のブームで各社から多数の装甲車両が発売されてた。

最後に恐るべき100円のプラモデルの紹介です。

スケールが書いてない自衛隊61式中戦車です。

出典:ウィキペディア 自衛隊61式中戦車

実車は第二次世界大戦終結後にアメリカから供与されていた戦車を、日本でつくる事になり、ソ連のT-34戦車に対抗できる事や国内での鉄道輸送ができるサイズを考慮した性能として開発、生産は三菱重工業が担当し1961年(昭和36年)に正式採用となったのが61式中戦車じゃ。

怪獣映画にもよく出てるから知ってる人も多いでしょ。

プラモデルはあまり聞いたことのないメーカーでODKと書いて尾高産業と言います。

馴染みが無いと言うか知らなかったのですが、昭和30~40年代の駄菓子屋にあったクジ引きのプラモデルを作ってるメーカーなんじゃ。

出典:尾高産業

こんな小さなプラモが駄菓子屋を飾ってたね、尾高産業のルーツはこれなんです。

さて61式中戦車の箱の横を見ると、シリーズで他にも発売されてたのが書いてある。

お馴染みのアメリカ、M4シャーマン中戦車

フランスのナポレオン戦車、タミヤも出してたので影響されたのかな。

ドイツからはタイガーⅠ重戦車、あまり似てないね。

箱を開けるとゼンマイが入ってる。なんか凄い雰囲気だな~。

ゼンマイでキャタピラを回すのか? ひし形の接着剤も懐かしいな。

砲塔や大砲だけど部品にバリ(成型時に流れ出た不要部分)が多い。

金型の出来もイマイチなのか。

裏返すと、あっさりしたもんです。

車体です。キャタピラや車輪が一体成型で回らないのね。

ゼンマイを車体に付けて車輪で走ります。もちろんキャタピラは格好だけ。

懐かしいな、緑商会のプラモにもこんなのがあってよく作ったよ。

尾高産業は他のメーカー品を買い取り箱を変えて販売もしてたから、よそのメーカー品かもしれない。

設計図がこれ1枚でマジックで何か消してある。

前輪を付ける予定がコストダウンなのかやめてます。

涙ぐましいコストカットでとにかく100円で戦車を提供してくれました。

頑張ってるな。

チープだけどこんなプラモから物作りに興味を持って社会で活躍する大人になって行くんじゃ。今はこんな入門プラモが無いのが悲しい。

今回は小学生の思い出を沢山作ってくれた安いプラモデルでした。

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